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慰謝料の税金

慰謝料の支払いを受けた場合、その慰謝料には、所得税その他の税金がかかるのでしょうか?
申告をしなければいけないのでしょうか?

慰謝料とは、性質上、損失を受けた部分に対しての補填ということで、新たな利益が生じることではありませんから、原則として、一時所得その他の税金がかかることはありません。

慰謝料とは、損害賠償のうち、精神的苦痛という、「目には見えない部分」に対してのものですから、イメージがつかみづらいかも知れません。
そのため、通常の損害賠償と同様、「物」に置き換えて考えると分かりやすいかと思います。
例えば、30万円で購入した新品のパソコンを第三者に壊されたとしましょう。
当然、故意に壊された場合には、補償も受けられません。
そうなると、相手に賠償してもらう金額は「30万円」です。
当然、この30万円というものは、損失を埋めたものに過ぎず、新たに得た所得ではありません。
よって、原則として、税金がかかることはないのです。
もっとも、一般的な社会通念上の基準とは著しく異なり、相当だと思われる範囲をはるかに超えている金額であると判断された場合には、超過した部分が贈与と認定され、受領者に贈与税が課される可能性が無いとはいえません。
また、実質的には、何らかの役務の対価であると認められる場合には、所得税が発生する可能性も有り得ます。


法第九条第一項第十七号 (非課税所得)に規定する政令で定める保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)は、次に掲げるものその他これらに類するもの(これらのものの額のうちに同号 の損害を受けた者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分)とする。
損害保険契約(保険業法 (平成七年法律第百五号)第二条第四項 (定義)に規定する損害保険会社若しくは同条第九項 に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約又は同条第十八項 に規定する少額短期保険業者(以下この号において「少額短期保険業者」という。)の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この条において同じ。)に基づく保険金、生命保険契約(同法第二条第三項 に規定する生命保険会社若しくは同条第八項 に規定する外国生命保険会社等の締結した保険契約又は少額短期保険業者の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この号において同じ。)又は旧簡易生命保険契約(郵政民営化法 等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)第二条 (法律の廃止)の規定による廃止前の簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)第三条 (政府保証)に規定する簡易生命保険契約をいう。)に基づく給付金及び損害保険契約又は生命保険契約に類する共済に係る契約に基づく共済金で、身体の傷害に基因して支払を受けるもの並びに心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金(その損害に基因して勤務又は業務に従事することができなかつたことによる給与又は収益の補償として受けるものを含む。)
損害保険契約に基づく保険金及び損害保険契約に類する共済に係る契約に基づく共済金(前号に該当するもの及び第百八十四条第四項(満期返戻金等の意義)に規定する満期返戻金等その他これに類するものを除く。)で資産の損害に基因して支払を受けるもの並びに不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金(これらのうち第九十四条(事業所得の収入金額とされる保険金等)の規定に該当するものを除く。)
心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金(第九十四条の規定に該当するものその他役務の対価たる性質を有するものを除く。)

示談書と印紙税

示談書は、表題の如何によらず、印紙税法に定める「課税物件」に該当しないため「不課税文書(非課税文書ではありません)」となります。
よって、仮に損害賠償額の記載があったとしても収入印紙は不要です。

ただし、損害賠償の方法が、金銭ではなく、不動産や無体財産権又は営業譲渡などである場合には、別表第一に定める「第1号文書」となり、収入印紙を貼らなければなりません。


慰謝料に税金がかかる場合

例えば法人の場合、示談金が事業収入として所得税がかかる場合があります。
また、お店の商品が壊された場合、損害は損金として計上できますが、加害者から受けた弁償金は益金として法人税がかかる場合があります。

また、名目が慰謝料、または示談金や見舞金などであっても、社会通念上の常識範囲を大きく逸脱するような高額で、その実態が贈与と看做されるような場合であれば、贈与税がかかる可能性もあります。


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