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弁護士のミス(弁護過誤)に関する慰謝料・損害賠償の請求について

弁護過誤とは、弁護士が依頼者に対する職務上の注意義務を怠り、依頼者に損害を与えた場合のことをいいます。

弁護士は、法律家であり、特別な独占業務を認められた国家資格者であります。
専門性を有するプロには、一般人とは違い、極めて高度な注意義務が課せられています。

弁護士が弁護士として当然に求められる義務に違反して依頼者に損害を与えた場合には損害賠償義務を負います。

また、併せて、所属する弁護士会へ懲戒処分を求めて「懲戒請求」の申立をすることも出来る場合があります。

なお、弁護士への裁判その他の法的紛争に関する委任については、結果を保証するものではありませんので、仮に訴訟や示談交渉の進め方に不満があったり、思った成果が得られずに損害を被ったとしても、それ自体は弁護過誤の対象にはなりません。

ただし、控訴や上告、抗告などの期限を徒過してしまって却下されたり、口頭弁論期日不出頭で弁論終結してしまったり、消滅時効や各種届出の期間を過ぎてしまって権利行使が出来なくなったり、等の「期限徒過」については、法令等調査義務違反、受任事件誠実処理義務違反、依頼者の権利確保義務違反、裁判を受ける権利確保義務違反、損害発生回避義務違反、等となり得ます。

また、第三者に対して依頼者の機密や個人情報を漏洩してしまって、名誉棄損や個人情報保護法違反、等に該当する場合には、損害賠償の対象になり得ます。

弁護過誤における損害賠償の項目としては、以下のようなものがあります。

弁護士費用(着手金)を支払っている場合には、その着手金
※依頼者に重大な過失がない限りは全額です
上訴によって勝訴見込みがある場合には、その割合部分の損害賠償額
※勝訴見込みの認定が極めて難しいという問題はあります。
上訴の機会を奪われたことに対する慰謝料
※おおむね0万〜30万程度の認定事例が多いようですが、事案によって大きく異なる場合もあります。

もっとも、これらの被害を受けた場合、弁護士に対する弁護過誤の損害賠償請求や懲戒請求などをしたいとしても、なかなか法律のプロを相手に個人で争うのは難しいものがあります。
しかし、これらの事件を受任して対応くれる弁護士というのは極めて少ないのが現実だと思います。

弁護士という職業への過信から、逆にクレーマーや危険人物扱いされてしまう可能性もありますし、もしも受任して期待通りの結果が得られなかった場合に逆恨みされて自分に火の粉が降りかかるおそれがあるのではないかと躊躇されることもあるからです。

まして、特に懲戒請求に関しては、逆に偽計業務妨害や名誉毀損、虚偽告訴罪などで訴えられるおそれもありますので、十分にご注意ください。

以上、よろしくお願い申し上げます。


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