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慰謝料の算定方法
慰謝料とは、物的な損害とは異なり、無形の非財産的損害ですから、金額について、双方で合意に至った場合には、原則として、その額で有効に成立します。
しかしながら、金額について合意に至らない場合には、最終的には、裁判官の自由心証に委ねられます。
つまり、普遍的な計算式や算定方法というのは、存在しないものです。
ただし、過去の判例や事例から一定の相場や基準があるものも、あります。
例えば、交通事故の場合には、入通院の日数・期間によって、客観的な算定表がほぼ確立しています。
暴行・傷害事件や介護施設や公共の場での事故の場合も、その算定表に準じて算定されます。
慰謝料の一般的な算定要素
一般的な慰謝料の算定要素(決定要因)としては、以下のようなものがあります。
- 被害者の苦痛の程度
- 被害者の財産状態
- 被害者の職業や社会的地位
- 被害者の年齢
- 被害者側の過失
- 被害者の受けた利得
- 加害者の故意・過失
- 不法行為の動機・原因
- 不法行為の態様
- 損害発生後の加害者の対応
また、この他に、交通事故では算定要素になりませんが、男女トラブルにおいては、加害者の収入や資産状況というのが算定要素になり得ます。
不倫の慰謝料の算定要素
不倫の慰謝料の算定要素(決定要因)としては、以下のようなものがあります。
- 不倫関係の期間と頻度
- 婚姻してからの期間
- 不倫による婚姻関係の破綻の程度
- 夫婦関係の良し悪し
- 結婚生活の状況
- 不倫相手の年齢や配偶者の有無
- 不貞相手の帰責性・故意過失の度合い
- 不倫された者の受ける精神的苦痛の程度
- 不貞した者の社会的地位や支払い能力
- 出産や同棲の有無
婚約破棄の慰謝料の算定要素
婚約破棄の慰謝料の算定要素(決定要因)としては、以下のようなものがあります。
- 年齢
- 社会的地位
- 収入、資産
- 婚約破棄の理由・態様
- 交際期間や婚約してからの期間
- 具体的な準備の有無
- 性交渉の有無
- 同棲や出産、中絶の有無
- 結婚式場の予約や新婚旅行
- 寿退職の予定や実行の有無
- 新居の賃貸借や購入の有無
傷害の慰謝料の算定要素
暴行に関しては、多くの場合、起訴された場合でも、略式起訴で罰金(10万円〜20万円)が大半である為、示談においても、5万円〜20万円程度で収めるのが無難です。
傷害の慰謝料の算定においては、入通院慰謝料算定表が、基本的な基準(ベース)となります。
ただし、過失割合の問題としては、最初に危害を加えた側(初めに手を出した側)の方が、有責性が高いとされます。
仮に、最初に危害を加えたものが大きなケガをしたとしても、責任が重い為、相手に対しての賠償請求は、限定的に考慮する他ありません。
また、どのような侮辱・暴言がきっかけであったとしても、言葉と暴力では、言動の飛躍が大き過ぎる為、抗弁としては弱過ぎます。
傷害の慰謝料の算定においては、原則として、 交通事故の際に利用する「入通院慰謝料算定表」を参考とすることになります。
また、ケガの程度が大きく、後遺症が残るような場合には、別途、その内容により、後遺障害の慰謝料や逸失利益の請求をすることが可能です。
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